コーディネイター 高橋 ますみ(日本向老会事務局・NPO法人ウイン女性企画代表理事)
パネリスト 上野 千鶴子(東大大学院教授)中澤 明子 ((医)任医会常務理事)
〇講演会 前半
上野教授は目下の関心ことは「高齢化問題」と言い、自らの研究(福祉NPOとの実証研究 )を例にあげた。地域の現場で介護を担うのは中高年の女性が多く、介護を受ける立場のニーズも熟知していることを言及。「自治体は責任ある仕事をするヘルパーの適正な賃金が支払われる制度作りを育てていかなければならない」と話された。
又介護市場への男性の参加の必要性もあげ、献身的な介護を尽くし妻に先立たれた男性など地域・福祉の担い手となる要素があるとした。さらに集団で介護研修が受けられる育成システムを確立し、労働条件が整えば、「男性も積極的に介護を仕事として考えるようになるのでは」と述べられた。
また愛知県の老健「せんねん村」代表の中澤明子さんは介護保険制度の始まる前と後の移り変りを含めて今の施設介護、在宅介護の話をされた。
〇講演会後半は会場からの質問に答えながらこれからのNPO活動を含めた市民事業体の役割について話された。
感想
これから地域福祉は「市民事業体」が重要な役割になるという興味深い話をされた中の一つにユニークな行政の取組みとして武蔵野市の例をあげた。
それは高齢者(介護保険で認定されない人を対象)が日中集う施設に、運営費を補助するというもの。取組みを詳しく調べてみた。市が平屋住宅を改装して主婦グループに無償貸与、人件費や光熱費として年間1.000円を限度に補助するが、サービス内容は主婦等に任せるという画期的なもの。運営方針は、井戸端の再現、「身近にあって、小規模で、軽快に運営」が売り物。3〜4年で40カ所近くを作るという。現場の声をすくい上げ市民参加で事業を進める。行政と市民が協働で行っている新しい事例だと思う。
呉市も65歳以上の高齢者が4人に1人の高齢化が進んでいる。高齢者が要介護状態にならないよう健康づくりなど介護予防対策がますます大切になってきた。 介護する側もされる側も圧倒的に女性が多い現状では、高齢問題は女性問題でもある。
「介護の社会化」としてスタートした介護保険制度には、女性も参画して見直し、政策提言する必要がある。と同時に男性も家庭の内外を問わず現場で立ち働くことが期待されている。女性も男性も最後まで人生の主役として生きるためには、社会システムをどう構築するのか、NPO活動も視野に入れて話し合われた |